2017.04.30
矯正で歯が動くしくみ
歯がうごくしくみを知ろう
歯列矯正の原理は、「歯に力を加え、ゆっくりと時間をかけて歯を移動させていく」というものです。このため、歯列矯正の矯正装置は、何らかの方法で歯にさまざまな方向の「力」を加えていきます。
例えば、「ワイヤー矯正」方式の場合、一本一本の歯に「ブラケット」という四角い器具を接着し、ブラケット同士を丈夫なワイヤー(アーチワイヤー)でつなげていきます。このワイヤーは非常に強い弾力を持っていて、予め「矯正したい歯並びに合わせたアーチ型」に加工されています。
こうして、ワイヤーの弾力や張力によって歯に力を加え、歯を動かしていくのがワイヤー矯正方式です。矯正治療をより安心して受ける為に、歯の動くしくみについてしっておきましょう。
歯列矯正の種類
主な歯列矯正の種類としては、先日のコラムにも書かれている通り上ワイヤー矯正方式のほか、歯に特殊なマウスピースを被せ、マウスピースの弾力を使って歯を動かす「マウスピース矯正」方式があります。インビザラインもこのマウスピース矯正に該当します。
ワイヤー矯正は歯に直接ワイヤーを掛け、引っ張ることで動かしていきます。歯科医院へ通い、ワイヤーの留め具を締め、調整することで歯を動かしていきます。そのため、それぞれの歯に力が掛かりすぎてしまう場合があるのです。歯を動かすためには、力を加えることが必要ですが、強すぎる力は根へダメージを与えることにもなります。
一方、マウスピース矯正(インビザライン)では、歯の動きをいくつかのステージに分け、矯正を行います。コンピュータを利用したマウスピース矯正(インビザライン)では、歯にかかる力が一定になるようコントロールして製作を行います。それにより、根への負荷を分散させることが出来るのです。
数ミリずつ歯を動かした状態の型でマウスピースを作製し、付け替えていくことで徐々に歯を動かしていきます。1日20時間以上の装着が必要になりますが、ある程度自由が利くのも特徴です。
歯根膜(しこんまく)の働き
歯ぐきの中には歯を支える歯槽骨があり、その歯槽骨と歯根の間には歯根膜と呼ばれる繊維状の組織が存在します。歯根膜は歯にかかる衝撃を和らげる働きをしています。矯正装置を付けると、歯の動かしたい方向へ力がかかり、歯根膜にも同様に力が加わります。これにより、移動させたい側の骨が収縮し、逆側の骨は隙間を埋めていく動きをします。
歯根膜は一定の厚さを保つ特徴をもっており、縮んだ歯根膜は元の厚さに伸びる働きをするため、骨を溶かす細胞をつくるのです。これらの動きを繰り返すことで、徐々に歯が動いていくのです。一般的に1カ月で動く歯の距離は0.3~1ミリと言われています。矯正治療が長期間に及ぶのは細胞が修復する早さによって治療期間が決まってくることも要因の1つです。
~まとめ~
矯正治療は歯を動かしたい方向に力を加え、歯根膜の再生を促すことで歯を移動させていく仕組みを利用していくものです。治療期間はこの細胞の再生する早さによって異なりますが、一般的に月0.3~1ミリほど歯を動かすことが可能です。マウスピース矯正(インビザライン)は、治療のステップをステージに分けることで、均一に歯に負荷をかけて歯を動かしていきます。
最近では、コンピュータを利用してシミュレーションを行うため、ワイヤー矯正と比較してもより均一に力を加え、根への負担を抑えつつ歯を動かすことが出来るようになりました。捻じれが伴ったり、奥歯の咬み合わせが関係する場合は、マウスピース矯正(インビザライン)よりもワイヤー矯正で力を加えた方が、歯が動きやすいケースもありますので、歯科医師とのカウンセリングを通じて最適な治療法を選択していくことが大切です。
アーク杉並デンタルクリニックでのインビザライン矯正に関するカウンセリングは無料です。歯並びの気になる方は一度ご相談いただければシミュレーションソフトによる最終的な歯並び、期間と費用なども一緒にお話しすることも可能です。杉並区での矯正は当院までご相談ください。