2017.08.17
部分矯正(プチ矯正)のあれこれ
歯列矯正は、コンプレックスや見た目の第一印象を良くすることができます。歯列矯正は大きく二つに分かれます。それは「全体矯正」と「部分矯正」です。
やはり一般的なイメージとして「歯列矯正は高価だ」というイメージがあるかと思います。しかしなが部分矯正は、歯並びを治したい箇所にだけ矯正装置を着けて行う矯正方法です。
全体矯正とは違い一部分にしか矯正装置を着けませんから違和感も少なく、費用も比較的安くなります。また治療期間も短くて済むのです。それでは、部分矯正の具体的な費用や特徴をご紹介します。
部分矯正と全体矯正の違い
全部の歯に装置をつけて行う矯正が全顎矯正、一部の歯(上顎だけ、前歯だけ)に装置をつけて部分的に行う矯正が部分矯正です。部分矯正と全体矯正の最も大きな違いは「費用」です。
部分矯正は、その言葉通り部分的な矯正を施すため、全体矯正よりも施術箇所を減らすことができます。費用が抑えられるのはこのためです。 部分矯正治療ではまず、そもそも部分矯正が可能かどうかの診断が行われます。歯の生え方や、どのくらい歯並びが乱れているかなど個人差があるので、部分矯正ではなく全体矯正が必要だと診断される場合もあります。
部分矯正が可能な場合は、さらに精密な検査へ進みます。治療可能なケースは限られてしまいますが、数本の歯列不正や傾いた歯の治療、前歯の隙間の閉鎖などには最適な方法です。最近はマイクロインプラントを使用することで適用範囲が広がるようになりました。そして実際に矯正装置を施す段階を経て、ワイヤーなどの矯正装置の調節・メンテナンスをしながら治療していきます。
部分矯正、種類によって違う費用
ブラケット矯正
ブラケット矯正とは、歯の表面にブラケットと呼ばれるものを装着し、それをワイヤーでつないで少しずつ歯の位置を変えていく方法です。表側から力を加えて歯を動かしていくため、前歯の歯並びのくずれがひどいときに有効です。使用される素材は金属製のメタルブラケットが主流です。しかし、見た目に目立つのが嫌という方のために、審美的な要素を考慮してブラケットやワイヤーをセラミック製のものに代えることもできます。
セラミックブランケットは金属アレルギーの方にも適した方法といえるでしょう。ただし、その場合装置に追加費用がかかってしまうため、使用したいときには医師によく確認しておくことをおすすめします。他の矯正方法に比べると審美的な面では劣りますが、歯の動きが早いため矯正方法の中では治療期間が短く済みます。
費用: メタルブランケット 30万~50万円程度 (セラミックブラケット メタルブランケット基本費用+5万~20万円)
期間: 3ヵ月~1年程度
リンガルブラケット
リンガルブラケットとは、歯の表面ではなく裏側にブラケットとワイヤーを装着して矯正を行う方法です。装置を歯の裏側に装着するため表面から見ても目立ちにくいのが特徴ですので、見た目を気にする方には嬉しい治療法であるといえるでしょう。ただし、舌に近い場所に装置があることから、違和感が強くなってしまうという一面もあります。
通常のブラケット矯正よりも歯を動かすのが難しく、歯並びによっては歯に隙間を作るなどの治療を行ってから装着しなければならないこともあります。そのため、リンガルブラケットができない歯並びの方もいます。また、前途したことから、治療期間についても若干長くかかってしまう場合があります。
費用: 40万~60万円程度
期間: 半年~2年程度
マウスピースを使う方法
インビザラインなどのマウスピースは上記2つのブラケットを使用する方法とは全く違い、歯の形に合わせたマウスピースを装着して矯正を行います。 素材は透明か半透明なものが用いられますので、装置が見えて目立つという悩みもマウスピースなら解消できます。
また、矯正していることにも気づかれにくいというメリットがあるため、審美的にはかなり優れているといえるでしょう。さらに取り外しができることから、掃除がしやすく装置と歯を清潔に保てるため、歯周病などのリスクも少なくて済みます。
また、金属を使いませんので、金属アレルギーの方も安心して使用することができます。歯を動かす力が比較的弱いため、歯並びのくずれが軽めの方にのみおすすめできる方法です。連続して装着する時間が短くなることもあり、治療期間も若干長めになってしまうという面があります。
費用: 30万~40万円程度
期間: 1年~1年半程度(※取り外し可能のため個人差が大きい)
部分矯正が向いている人
気になるところだけ整えたい
出っ歯やすきっ歯、それに八重歯など部分的に気になる場所のみを矯正できます。また、受け口と言われる反対咬合になっている歯並びにも向いています。「ここさえ治せれば完璧なのに!」そう感じる方は部分矯正で歯並びを整えることができる可能性が高いでしょう。
早く矯正治療を終えたい
全矯正のおよそ半分ほどの期間で、綺麗な歯並びに仕上げることができます。このポイントが両者の大きな違いと言えます。器具の装着や調整にかかる時間や回数も、少なくて済むので仕事や家事で忙しい方の味方になってくれる矯正方法でしょう。
結婚式やパーティーに間に合わせたい
せっかくドレスアップしても、金属性の矯正器具が目立ってしまっては、綺麗な印象も残念に感じてします。写真や映像など、記録に残る可能性を考えると、短期間で治療が終える部分矯正が良いでしょう。